企業経営と資本金の関係について理解しましょう
企業に関する様々なニュースなどの情報を見聞きするときには、当該企業の資本金に関する情報も同時に見聞きすることが多いです。ただ、よく理解しないままその金額を見聞きしただけでは、企業の規模くらいしか把握することができないでしょう。そこで、企業経営と資本の関係について簡単なことから知っておくと、また違う視点から理解することが可能となります。
たとえば、資本が1億円である企業があるとします。ここで多くの人は、実際に1億円が企業内に留保されていると理解しますが、必ずしもそうではなく、むしろ資本の金額を丸々留保している企業は少ないです。そもそも、資本の金額と貯蓄である資産の金額は別物なので、資本の金額は貯蓄ではありません。会社法という法律でも、資本の金額はむやみに引き出してはならず、基本的には準備金や剰余金へ振り替えるのみとされています。その意味で、資本の金額は先述した通り、会社の規模を表すにすぎないシンプルな指標と考えることができます。
現在の企業形態の多くが有限責任の株式会社であることも、資本に大きな影響を与えています。企業の資金調達は、主に新株発行と社債や融資などの借金に分かれます。前者は報酬として配当を貰い、後者は報酬として利息を貰うことになり、それぞれ原資が異なります。ここで、配当の金額が大きくなるということは、会社の財産が多く社外へ流出してしまうことになるので、資本の準備金や剰余金が減少してしまう可能性があります。したがって、資本維持の原則や資本充実の原則が働くことになるので、有限責任の株式会社と資本の関係は非常に大きいということが理解できるでしょう。
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